Call of Unread Books

なんだか呼ばれてるきがする

川口淳「『竜華空音日記』の翻刻――明治真宗大谷派改革運動の記録――」(『同朋佛教』54, 2018-07)

 同僚の真宗学研究者、川口淳さんより抜刷を頂きました。私も微力ながら翻刻に協力しました。要は僧の日記なんですが、非常に興味深い資料です。日記の筆者の龍華空音(りゅうげ・くうおん)は、波瀾万丈、起伏に富んだ人生を送った人物のようです。私は今回初めて知りました。川口さんの論文(2018-03)によると、腐敗していた教団にたいし、門徒やメディアを巻き込んで改革を訴えて、反対に逮捕されたり除名されたりし、のちに再評価されるようになったそうです。清沢満之に育英教校への入学を勧めたともいいます。

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報告:ブックカフェ・トーク「現代韓国文学を、いま日本に」、日韓共同文学研究ワークショップ 「翻訳と文化のポピュラリティ」を開催しました。

ずっと準備してきたブックカフェ・トーク「現代韓国文学を、いま日本に」、日韓共同文学研究ワークショップ 「翻訳と文化のポピュラリティ」が終わりました。

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予稿集と、朴珍英先生の新刊2冊
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日韓共同文学研究ワークショップ「翻訳と文化のポピュラリティ」(2019年1月26日 工学院大学新宿キャンパス)開催のお知らせ

日韓共催イベントのおしらせです。懇親会については「続きを読む」をクリック!

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「あなたを見ていた私の目が寺院になりました。」(ハン・ガン『少年が来る』、井手 俊作訳、クオン、2016)

한강 작가의 『소년이 온다』 을 읽었습니다.

あなたが死んだ後に葬式ができず、

あなたを見ていた私の目が寺院になりました。

あなたの声を聞いていた私の耳が寺院になりました。

あなたの息を吸い込んでいた肺が寺院になりました。

(...)

春に咲く花々、柳、雨粒と雪片が寺院になりました。

日ごとに訪れる朝、日ごとに訪れる夕暮れが寺院になりました。

(p.122-123)

少年が来る (新しい韓国の文学)

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台湾で発表します:国立政治大学台湾文学研究所主催「從帝國到冷戰的文化越境與生成」工作坊(2018年11月23日)

 台湾の国立政治大学台湾文学研究所主催「從帝國到冷戰的文化越境與生成」工作坊にお招き頂いて口頭発表をしてきます。

 「逆輸入された生硬さ――張我軍訳・夏目漱石『文学論』」と題して、漱石研究が漱石研究の外にとってどんな意味があるのか、博論で書いたことをもう少し広い視野に位置付けられないか――という意識で張我軍訳『文学論』を再検討します。

 

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tailit.nccu.edu.tw

会期始まってます!:国文学研究資料館特別展示「祈りと救いの中世」(2018年10月15日~12月15日)

bungakuron.hatenablog.com

 会期始まってます! 私は、祖母が内覧会に招かれたので付き添いで見学しました。

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