Call of Unread Books

なんだか呼ばれてるきがする

国文学研究資料館特別展示「祈りと救いの中世」(2018年10月15日~12月15日)

 大学でお世話になった小川剛生先生にご紹介頂き、亡祖父庵逧巌の旧蔵書(和書)を国文学研究資料館に寄贈いたしました。

参考:祖父の遺稿集※実家に何冊か在庫あります

幸若舞・歌舞伎・村芝居

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柳 忠熙(2018) 近代朝鮮におけるイソップ寓話の翻訳と『ウスンソリ(笑話)』(『朝鮮学報』第246輯)

 敬愛する柳忠熙(リュウ・チュンヒ)さんの論文がとても面白かったので、紹介します。
 柳忠熙さんは「朝鮮知識人尹致昊(ユン・チホ、1865~1945)の思想とその変化に注目し、近代への転換期における朝鮮知識人の思想と朝鮮社会の変化のダイナミズムについて研究」(リサーチマップより)してこられた方です。
 
 ユン・チホが『ウスンソリ』と題して訳したのが、朝鮮では最初に単行本形式で出版されたイソップ寓話でした。これが、なんと驚き!
出版された翌1909年に「治安の妨害」を理由に発売禁止処分を受ける。この事実から、保護国下の韓国の為政者にとって、この書物の政治性が問題になったことが推測できる。禁書処分を受けた翌1910年に『ウスンソリ』はアメリカのハワイ所在の新韓国報社から再出版される。
(柳 2018, p.3 :以下ページ数のみ記し、引用文中の註は適宜省略)
新韓国報社本『ウスンソリ』にも序文や挿絵は付いていない。だが、尹致昊とハワイ韓人学校の生徒との写真と、伊藤博文を暗殺した安重根の写真が載っている。
(p.6)
 もうこれだけで興味津々、近代文学研究者としては垂涎ものですね。

ポーランド 1918

ポーランドドイツ国境にほど近いSłubice スウビツェという小さな町で妹の結婚式が行われました。飛行機でヘルシンキ経由でベルリンへ、鉄道でベルリンからフランクフルト・オーデルまで移動したあとは、車で橋を渡っているうちにそこはポーランド、スウビツェなのです。(写真1)

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研究発表二本立て:『君の膵臓をたべたい』『梅棹忠夫の「人類の未来」暗黒のかなたの光明』

80年代の文学・批評・研究史を読む会 第17回読書会についてお知らせします。今回は二本立てです。参加希望の方はコメント(連絡先を明記)またはメールをください。その際懇親会参加の有無も併せてお知らせください。


7月14日(土) 於 早稲田大学早稲田キャンパス


1. 14:00 西貝怜さんの発表「住野よる『君の膵臓をたべたい』における身体・名前・未来――末期患者をめぐる死生学と文学研究の新たな関係のために」(仮)

対象テクスト:住野よる『君の膵臓をたべたい』(双葉社、2015・06 ※文庫版、Kindle版あり)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

 文学研究と死生学との関係を、具体的なテクスト分析から立ち上げる議論になるだろうとのことです。


2. 16:00 栗原 悠さんの発表「エネルギー産業と学術振興」(仮)

対象テクスト:『梅棹忠夫の「人類の未来」暗黒のかなたの光明』(勉誠出版、2011・12)

梅棹忠夫の「人類の未来」 暗黒のかなたの光明

※「お忙しい方は「「貝食う会」の5人」(加藤秀俊)の箇所だけでも構いません」とのことです。

 1980年代に至るまでの企業と学問・文化などの関わりについて新京都学派や未来学にふれながらお話ししてくださるそうです。


19:00頃~ 懇親会

文献管理ソフトにトライしてみるの記

 こんばんは。最近パイナップルジュースと豆乳を混ぜて飲むのにハマっています。豆腐もできます 有機豆乳、という銘柄が気に入っています。

 

 さて、新しいことを覚えるのが苦手おぢさんな私、ずっと気になっていた文献管理ソフトにトライしてみました。大学院時代は大学図書館がRefworksなどの普及に力を入れていた記憶があるのですが、全スルーしていました。だってなんかめんどくさそうなんだもの!

 そして結局、博論をまとめるにあたり、それまで書きためてきた論文はいずれも投稿規定の違いや私自身の気分のムラから書誌情報の記載方式がばらばらになっており、いちいち手直ししながらコピペを繰り返して文献一覧を作る、という空しい作業をしました。

 

  ……そ……そういう作業をしなくて済むようにという趣旨のツールだったのでは……。

 

 というわけで、とっくに手遅れな感じもしますが、文献管理ソフトにトライです。以下、初心者のれぽーとなので、「もっと効率いいやり方があるよ!」などのご教示をおねがいします。

 

 ざっとネットサーフィン(死語)をしてみたところ、理系のかたのブログ記事が多くてなかなかどれを使っていいかわかりませんでした。微妙な使い勝手の差があるらしい……とかやってるときりが無いので、まずは選ぶ方針を立てることにしました。

1. パソコンの中のPDFファイルを整理しやすいソフトがいい

ベルヴィージェ生物医学研究所(スペイン・バルセロナ)の神経科学者Raúl Delgado-Moralesは、「少なくとも私の経験では、科学者のデスクトップのフォルダにはよく分からない名前のPDFファイルが3000個ぐらい入っていて、ファイルが必要になったときには決して探し出すことができないのです」と言う。

TOOLBOX: 文献管理ソフト8選 | Nature ダイジェスト | Nature Research

 ……あれ、なんか急に親近感が……?

2. 共同研究者と一緒に編集できる参考文献目録を作りたい

3. 日本語論文がメインになるので、日本語の表記が崩れないものがよい(日本語論文執筆に使えるのがベスト)

4. 日本文学研究の論文検索でよくつかうサイト(Cinii、J-Stage国会図書館サーチ、国文学研究資料館論文目録データベース)からデータを取り込めること

Mendeley

 有名どころでは、Mendeleyが便利そうでした(千葉雅也さんがTwitterで紹介されていたので、ずっと気になっていました)。しかし、どうやらCiniiからのダイレクトインポートが不具合により一年以上うまくいっていないようです。

CiNii - お知らせ - CiNii Articlesの「Mendeleyに書き出し」機能の不具合について - サポート - 学術コンテンツサービス - 国立情報学研究所

 また、ダウンロードしたRISファイルなどをインポートしても、日本語の書誌情報が崩れることがあります。それを補っていた「日本語論文 to Mendeley」というサードパーティーのサービスは終了しています。

Endnote

 次にいいかなと思ったのがEndnote。ブラウザがIEFirefoxであれば、いくつか設定をするとCiniiからダイレクトインポートができるようになります。100件の書誌情報を一気に取り込んでみたりして遊びました。ときどき動作がへんなのは、私のパソコンとIEが元気ないせいでしょうか。

 Endnote basicという無料ネット版は機能に制限があり、製品版(デスクトップ+オンライン)は国内代理店販売で56,160円と値が張ります。

EndNote 通常版(新規購入): ユサコオンラインショップ

 並行輸入品をamazonで買うことも考えました。ヘビーユーザーになったら、買っちゃうかもしれません。

Paperpile paperpile.com

 結局、Facebook上で教えてもらったPaperpileが楽ちんだったので、今はこれを使っていろいろ試しています。Google製なので、Chromeエクステンションを入れると、Googleの検索結果からボタン一つで書誌情報がインポートしたり、表示しているウェブページから書誌情報を吸い出したりできます。まだ試してませんがGoogleドライブとも連携できるようです。導入・セッティングが手軽なので、共同研究者に使ってもらうのもスムーズな予感がします。

 Ciniiからインポートするときは、「RISで表示」等の表示結果をクリップボードにコピーしてメニューの「add manually」にペーストする手もありますが、大量の文献を同時に登録するときは一端 .txtファイル(文字コードUTF-8)にコピペして保存してから「Upload files」で読み込んだ方が楽でした。

 で、だいたい満足しているのですが、ネックになったのが4. のうち、国文学研究資料館論文目録データベースからデータを取り込みたいという点でした。このデータベースは、検索結果をexcel, csv, tsv, jsonという四種類の形式でダウンロードできます。これらは独自の書式で記載されているため、上記の文献管理ソフトに読み込めません。

 そこで、知識ゼロの状態から妻にエクセルのマクロの作り方を教えてもらい、国文研DBからダウンロードしたExcelファイルをRIS形式に書き直すやーつを作りました。何してるんだろうね(´・ω・`)

  ともかくこれで、Ciniiと国文研の検索結果をインポート&統合して、たとえば某先生の論文一覧や、漱石三四郎』先行研究リストをさっと作成できるわけです。

 まだ試してない機能も多いし、論文執筆にも使っていないので、続きはまたいずれ。

 

追記。Paperpileは30日間の無料トライアル後は有料です。自分で使うぶんにはいいけど、共同研究者には無料ツールを紹介するのがいいかしら。

公開読書会のおしらせ 「西田谷洋『村上春樹のフィクション』を読む」7月1日(於 同志社女子大学)

わたくしの敬愛する西田谷 洋(にしたや・ひろし)さんの新刊『村上春樹のフィクション』(ひつじ書房、2017)について、公開読書会が行われます。わたくしもお話する時間をいただきましたのでがんばります。

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