Call of Unread Books

なんだか呼ばれてるきがする

Refworksを用いた先行研究の整理法

こんにちは。部屋はちらかって倉庫みたい。デスクトップはアイコンだらけ、服部です。

 

 大学院生のころは国文学研究資料館論文データベースの検索結果をプリントアウトして、コピーし終わった論文にしるしをつけていき、バインダーにコピーの束を放り込む……というおおざっぱな文献集めをしていた私。たいして進歩してませんが、最近PDFと紙が混在してわけわからなくなり、数年前に挫折した文献管理ソフトに再挑戦中です。

 さいわい東洋大学はRefworksを契約してくれているのでこれを使います。日本語論文の管理のために作られたものじゃないので色々不都合はあります。

 学生にも活用してもらおうと研究室ほむぺを作って解説記事を書いたので、流用してブログに載せます。

 

 各種データベースの検索結果一覧は不要なものが多く含まれ、保存しにくく、利活用しにくい。必要なものだけをそこからピックアップし、自分専用のリストを作成する必要がある。おすすめはRefworksへの集約。

Refworks トップページ・ログイン画面

(アカウント作成方法・マニュアルへのリンクはRefworksのページから探してください)

 

 Ciniiから書誌情報を取り込むには、検索結果一覧から必要なものにチェックを入れてRefworksへ書き出しを選択すればよい。

 

一覧からまとめて「Refworksへ書き出し」する。便利~

論文や単行本の詳細ページの右下からも書き出せる

Ciniiだけならこれでおしまい。ほかにもRefworksのツール>Save to Refworks からウェブブラウザのブックマークレットも仕えるようにしておくといろんなウェブサイトから書誌情報だけ引っ張れるようになり便利。タイトルだけコピペして、雑誌名だけコピペして、っていう苦行はもう要らない……

 

 さて日本文学研究だとここから先が大事。

 国文学研究資料館のDBの検索結果の書誌情報一覧はエクセル形式でダウンロードできる。これをRefworksに取り込むにはいくつか変換が必要です。そこでエクセルの原始的なVBAを家族に教わって、ツールをつくってみました。

Dropbox - 国文研論文DB書誌 エクセル to RIS.xlsm

 使い方は、まずデータベースで取り込みたい文献たちがヒットするよう検索します。結果一覧の左上にある緑色のダウンロードボタンを押して、エクセルファイル形式で書誌一覧をダウンロードします。

 次に上記ツールを開き(インターネットから取得したファイルを編集する、マクロを有効にする、などの確認が出ますがぜんぶOKしてください)、サンプルで書誌情報が載っているところ(セルA2)に、いまダウンロードした書誌情報のエクセルのセルをすべてコピペして(Ctrl+A→Ctrl+C→Ctrl+V)、ツール上部のRISに書き出すボタンを押してください。そうすると、ツールを置いたフォルダに「.ris」という拡張子のファイルが生成されます。

 Refworkをひらいて追加>レコードのインポート からさきほどの「.ris」ファイルを選択し、RIS形式の書誌レコードとしてインポートします。

 これだけだと検索結果一覧そのままなので、Refworks上で不要な論文レコードは手動で消しましょう。

 Ciniiからもレコードの取り込みが終わっている場合、重複>重複チェック から「完全性」「類似参考文献」(タイトル、著者、年)を条件に重複チェックを行なってみましょう。Ciniiと国文研DBの両方から同じ論文の書誌情報をひっぱってきている場合、そっくりのものがリストアップされ、片方にチェックが入った状態になっています。重複をゴミ箱へ、などの処理を選択すると、片方だけ棄ててくれます。

 最後に、一手間かけると、このあとが楽になります。

 Refworks上にフォルダを作成し、フォルダ名によく使う雑誌名と東洋大学図書館での所蔵場所を書いておく。雑誌名でRefworks上のレコードを絞り込み検索したあと、レコードをまとめてそのフォルダに移動させましょう。下記のようになります。

よくつかう雑誌名+所蔵場所+請求記号

 変なフォルダ名ですが、ここがミソ。あとはスマホをもって図書館にいけば、コピーを集める作業が管理しやすくなります。フォルダ内のレコードを出版年順でソートして、必要なものを閲覧していき、場合によってはレコードのメモ欄に何か書き込むとか、ファイルを添付してもよいでしょう。

 最後に、卒業論文の参考文献一覧を作成するときに、Refworksの「文献目録の作成」機能で一覧を生成します。それを卒業論文のWordファイルにコピペし、必要に応じて手直ししてください。たとえば参考文献一覧を著者名50音順にしたい場合、姓の「よみ」は書誌データに入っていない状態なので、自動化できません。あとなぜか日本語文字列のあいだに不要な半角スペースが混ざるなどの不具合があります。(<RefWorks 参考資料>主な参考文献スタイルの比較 2015/11 早稲田大学図書館

 でもそれをちょちょっと手直しして並び替えればいいだけなので、全部手で打つよりも遥かに楽です。

 

 最初は面倒ですが、一度身につけるといろんな授業のレポートごとにプロジェクトファイルを分けて情報収集して……と応用がきいてきます。また、グループで発表準備をする際には、文献リストを共有して共同編集できます。ぜひ活用してみてください。