研究会のおしらせです。私の人生を変えてくれた友人にして、尊敬する研究者でもあるクリス・ローウィーさんの博士論文をめぐって、じっくり討議します。
日本語の表記体系と文学の関係に着目して、谷崎や『吉里吉里人』、崎山多美、円城塔などに目をくばるユニークな論考です。たとえば「フリガナ」という仕組みが、日本語文学の表現をどれだけ拡張しているのか。なぜ（とりわけ英語圏における）日本文学研究において「文字」は注目されてこなかったのか。などなど！
そして、著者を招いてこの日本語訳を課題テキストとして読書会を行います。ゲストに日本語学者の今野真二先生もお招きします。知的に刺激的な場になること請け合いです。ぜひお越しください。
「文字」からみる近現代日本語文学
クリス・ローウィー『文字と文学が出逢うとき』をめぐって
2023年1月6日14:00 工学院大学 新宿校舎28階 第4会議室 ※要参加予約
↓詳細
主催：日本学術振興会 科学研究費助成事業（基盤研究（C））東アジアにおける翻訳ディスクールの様態と受容に関する文化研究
概要
本研究会では東アジアにおける文学の翻訳・受容を考えるうえで欠かすことの出来ない「文字」の問題を中心に据え、クリス・ローウィー氏の博士論文「At the Intersection of Script and Literature: Writing as Aesthetic in Modern and Contemporary Japanese-language Literature」（2021年、ワシントン大学、未公刊）を起点として日本語の表記体系が文学にあたえる影響の複雑さを解明したい。
課題図書
本研究会によるクリス・ローウィー氏博士論文の日本語訳ドラフト
『文字と文学が出逢うとき――近現代日本語文学における表記の美学』（2021、未公開）を課題図書とする。翻訳分担にあたっては、高野真理子・長瀬海・早川友実子・樋口武志に協力を得た。
ダウンロードリンク
※当ブログではリンクを伏せます。参加ご希望の方に個別にファイルをお送りしますので、以下の参加フォームの研究会参加／不参加を選ぶ項目で「その他」を選び、ドラフト送付希望とご記入ください。メールでお送りします。
参加予約について
研究会・懇親会の参加について、以下のフォームで受け付けます。
2023年1月6日
13:45 工学院大学 新宿校舎地下1階集合
会場となる28階フロアは自由に出入りできない構造のため、集合後に誘導します。集合時間に遅れる方は地下1階受付から内線から会場へご連絡ください。お迎えに向かいます。
14:00 開会・趣旨説明 於：新宿校舎28階 第4会議室
吉田司雄（工学院大学）、服部徹也（東洋大学）
14:20 著者からの問題提起
クリス・ローウィー（カーネギーメロン大学）
14:40 日本語学からの応答
今野真二（清泉女子大学）
15:10 （15分休憩）
15:25 全体討議
16:35 （15分休憩）
16:50 全体討議 再開
研究会からの応答
高橋修（共立女子短期大学）
18:00 解散
18:30 懇親会 ベクタービア 新宿御苑店 新宿ホテルパークイン 1階
Christopher Lowy
Assistant Professor of Japanese Studies
Carnegie Mellon University
Department of Modern Languages
Dietrich College of Humanities and Social Sciences
日本語論文に、「日本［語］2,0：超平面化した日本語でのコミュニケーションについて」『ゲンロンエトセトラ #4』ゲンロン 2012年、「日本語のアーキテクチャ：書き言葉の構築テクスト性をめぐって」『シンフォニカ Vol.1』（同人誌）2013年、「新型コロナ騒動から日本エイズ文学を考える : 内向きから外向きへ」『現代思想』2020年5月、「『婉曲の踏み車』と変わらないイデオロギー―エイズ、サル痘、〈悪所〉のハッテン場を中心に」『ユリイカ』2022年8月などがある。現在、今野氏とひつじ書房ウェブマガジン『未草』にて共同連載中。
今野 真二
文学部日本語日本文学科教授
日本語の歴史、日本語の表記を主な研究テーマとしている。『仮名表記論攷』 清文堂出版 2001年によって、第30回金田一京助博士記念賞受賞。その他、『消された漱石』 笠間書院 2008年、『北原白秋』 岩波新書 2017年、『漢字とカタカナとひらがな』 平凡社新書 2017年、『乱歩の日本語』 春陽堂 2020年6月 等著書多数。
