服部研究室に提出された卒論題目一覧です。
私自身が新しいものについて知りたい、視野を広げたい、面白い作品や解釈に出会いたいと思っているため、雑多なもの、新しいものも受け入れています。
また、卒論を書く本人にとって意義のある問いと、文学・文化史にとって意義のある問いとを両立できるように、問いの立て方にこだわって指導しています。
在校生へ:
狭義の近代文学に限らず、近現代の文学・文化を広く卒論の対象として認めます。
ただし、新しいものほど、どのような先行研究と接続して議論を構築するか工夫をこらす必要が高まります。現代のものを選ぶ場合は、類似する先輩の卒論を読んで参考にしてみましょう。服部に提出された卒論は、執筆者の許可を得て匿名化し、次年度以降の学生の閲覧に供しています(閲覧不可希望のものもありますので、詳細はお尋ねください)。
・3年次秋学期に卒論指導担当教員を決めるアンケートがありますので、その際参考にしてください。
・4年次5月中旬に「卒論題目届」を提出することになっています。その時点で副題を付けていなかったものについては、最終提出時に副題を付すことができます。テーマが固まるまでは、副題を付けないほうがよいです。
2023年度
Ⅰ部
『銀河鉄道999』論ーー永遠の命と機械の身体
『碧のヴォヤージュ』論 ※演劇(脚本・演出 伊藤マサミ)
「竜とそばかすの姫」研究ーー作中での歌の役割と影響
新海誠論ーー『天気の子』における「社会性」の考察
『小さき者へ』論ーー書簡体小説としての読み
『おジャ魔女どれみ』論
『進撃の巨人』論
悪役論ーー『ONE PIECE』世界の悪役と悪の構造
『ソードアート・オンライン』論ーーライトノベルから読み解くゲーム世界
新海誠論ーー『ほしのこえ』における画期性と普遍性について
又吉直樹『火花』論ーーお笑い芸人の文学と純文学
Ⅱ部
川端康成論ーー「気ちがい病院」という語
平山夢明論
ルミネ広告論ーー女性はどのように服を身にまとってきたか
中村文則論ーー『土の中の子供』に描かれる暴力
村上春樹におけるジェンダー表象ーー『ノルウェイの森』を中心に
通信
岡本かの子「川」論
星新一研究
2022年度
Ⅰ部
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』論――戦争と戦闘表象の観点から
『ハイキュー‼︎』論—―漫画作品から可視化するスポーツ文化の意義
大江健三郎『飼育』から見る比喩表現—―ピエール・ガスカール『けものたち・死者の時』との影響関係から考える動物の比喩表現の意味
アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』論—―アニメーションで伝える成長物語
江戸川乱歩論—―『屋根裏の散歩者』研究
伊藤計劃作品と自由意志――小説『虐殺器官』における自由意志論
村上龍作品における人格形成と自己認識――コインロッカー・ベイビーズを中心に
スポ根研究—―『ブルーピリオド』にみる現代の「スポ根」と指導者問題の移行につい
て
『人間失格』研究—―主人公大庭葉蔵と読者
湊かなえ作品における母と娘の表象――『ポイズンドーター・ホーリーマザー』を中心に
筒井康隆『残像に口紅を』研究――物語空間から見る「超虚構性」
宮本輝論 ※『泥の河』『螢川』
江戸川乱歩作品における男性同性愛—―『孤島の鬼』を中心に
Ⅱ部
『ハウルの動く城』論
『Fate/stay night』研究――「Heaven’s Feel」における作品構造の影響を中心に
ヨルシカの楽曲における宮沢賢治作品――「又三郎」と『風の又三郎』について
文字だけで恐怖を伝えるということ ※鈴木光司『リング』論
通信
三浦綾子研究――作品のなかの聖書の言葉 ※『氷点』『塩狩峠』
『夢十夜』論
2021年度
Ⅰ部
川上弘美研究――『惜夜記』から見る語り手の姿
SF短編に見る未来への不安――星新一の描いた不安
宮崎駿が描く「成長」
映画『海街diary』研究――四姉妹の心理描写から見る家族のあり方 ※是枝裕和監督
浅野いにお論考 ※『零落』『漫画家入門』など
『SLAM DUNK』研究
『美少女戦士セーラームーン』のジェンダーについて
故郷と近代都市についての煩悶──井伏鱒二「『槌ツァ』と『九郎治ツァン』は喧嘩して私は用語について煩悶すること」を中心に
女性に求められる従順性について――—ロボットと人間の今後の関係性 ※CLAMP『ちょびっツ』、映画『エクス・マキナ』
『僕のヒーローアカデミア』論――個性の変化による性差表現の考察
歌詞における物語性――小説と音楽の双方向制作に着目して ※YOASOBIなど
『ハリー・ポッター』研究――『ハリー・ポッター』に見る階級社会
乗り越えていくヒロイン ※「ハートキャッチプリキュア!」論
漱石作品におけるエゴイズムの考察 ※『こころ』など
Ⅱ部
「風の歌を聴け」研究――「僕」は何を癒やすのか
通信課程
イザベラ・バード『日本奥地紀行』研究—―三つの要素から考察するバードの眼差し
2020年度
Ⅰ部
『鬼滅の刃』論――『過狩り狩り』との比較と鬼の考察
★中村文則論――『銃』における語り手「私」の考察 ※学科の最優秀論文として奨学金が授与されました。
「美少女戦士セーラームーン」からみる少女の成長
戦争文学論――奥泉光の作品に描かれた戦争 ※「石の来歴」「浪漫的な行軍の記録」論
吉本ばなな作品における“生と死”――『キッチン』から見る虚構の共時性
現代文学における若者像 ※『限りなく透明に近いブルー』『なんとなく、クリスタル』論
「コンビニ人間」とは何か――「生の象徴」としてのコンビニを基軸として
「かかとのない小説」とは何か――多和田葉子論 ※『ゴットハルト鉄道』『雪の練習生』『かかとをなくして』論
朝井リョウ研究――『何者』と『桐島、部活やめるってよ』に描かれる若者
村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』論――人はなぜ虚構を語るのか
伊坂幸太郎研究――作品内の非行少年から考察する「悪」との共存 ※『オーデュボンの祈り』ほか多数
有川ひろ研究――メディアミックスとの関連性 ※自衛隊三部作、『図書館戦争』ほか
夏目漱石論――漱石作品における「水」の意味 ※『吾輩は猫である』ほか
Ⅱ部
漱石作品における「自然」
夏目漱石『夢十夜』論
『夢十夜』と『永日小品』の比較研究
太宰治作品の研究――『お伽草紙』の研究
夏目漱石後期三部作研究
通信課程
辻村深月論――閉ざされた世界からの解放について