Call of Unread Books

なんだか呼ばれてるきがする

人の校正を笑うな

ひさしぶりにブログを書きます。タイトルに深い意味はありませんが、人は校正を誰に習うのか。あるいは自己流のままなんとなくやっている人もいるのかもしれません。私は大学院の雑誌にはじめて論文を載せる際に、はじめて自分の原稿の「校正」するためハウツー記事をみながら赤ペンをにぎったように思います。それ以後、ハウツー記事を再度参照することが減り、なんとなく自己流になっている部分がないかどうか……「あれ、おおきいツを小さいツにしたいときはどう指示すればいいんだっけ?」みたいなこと、よくありますよね。もしかしたら私が赤をいれた校正原稿は、へんな代物になっているかも……。

 

お世話になっているひつじ書房の編集者森脇尊志さんが、校正についてスタッフ日誌で度々ふれていらっしゃいます。ことし受け取った初校に「著者校正のやり方」「校正記号の例」というマニュアルが同封されていて「ほお、これはべんり!」と思い、学生のためにもなるとおもったので紹介します。

 

2022.2.22(火)
校正のこと

先日少し校正のやりとりでうまくいかず、もっと初めにやり方をご説明した方がよかったかな、と反省することがありました。著者校正として初校ゲラをお送りしたのですが、こちらでゲラに書き込んでいたものはそのままゲラ上で返答があり、それ以外の本文の修正は多くなったということで、ほぼ全面改稿のワードの履歴付きのファイルで送られてきました。

(中略)

校正を修正するフローというのは決まっていて、赤字の入ったゲラを見て、作業者が修正するという風に決まっています。もっとも効率の良い形に落ち着いているので、それ以外の方法でやれというのはルール違反になります。

そういうこともあり、いま「著者校正のやり方」を作っています。(PDF)

https://www.hituzi.co.jp/staff/img/proofreading_20220209.pdf

よろしければご意見をいただけますと幸いです。

何もゲラに修正を入れてはいけないと言いたい訳ではありません。ゲラの形になって、原稿とは違う形になることで気づくことはたくさんあるのは良く分かります。せっかく本になるのだから、私も思い残すことがないよう、とことんやりたいと思っています。ただ、組版をするにも校正をするにも、人が関わっているのです。それを無しにするようなことは、やめて欲しいなということなのです。

とりあえず原稿をいれて、あとはゲラで修正をするから、というのは誰も幸せにはなりません。

出典:

ひつじスタッフ日誌2022年2月

 私が今回同封していただいて助かったのは、ここに載せてくださっている「著者校正のやり方」が更新されたバージョン(2022.3.3)と、ひつじ書房HPに公開されている執筆要項(これも便利!)のなかの赤字の入れ方の見本でした。

 

 せめて人を困らせないように校正したいものです。

 

 その節はすみませんでした……。(『はじまりの漱石』のたびかさなる校正を思い出しながら)