Call of Unread Books

なんだか呼ばれてるきがする

『ポスト・オリエンタリズム』読書会のお知らせ

私が呼びかけ人の一人である有志の研究会で、下記の通り読書会を行います。

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80年代の文学・批評・研究史を読む会 第16回研究会 『ポスト・オリエンタリズム』を読む

 

6月2日16時 早稲田大学早稲田キャンパス ※教室は追って連絡

※19時から懇親会を予定。

※参加希望の方はお名前、メールアドレス明記の上、ブログコメントからお知らせ下さい(その際懇親会参加/不参加をあわせてお知らせ下さい)。参加申請のブログコメントは非公開のままにします。TwitterのDM、メールでのご連絡でも結構です。

 

課題図書: 

ハミッド・ダバシ著

早尾貴紀・本橋哲也・洪貴義・本山謙二訳『ポスト・オリエンタリズム』(作品社、2017・12)

http://sakuhinsha.com/philosophy/26757.html

ポスト・オリエンタリズム――テロの時代における知と権力

 

レポーター:早川友実子さん

 

読書会ですので、各自の関心に引きつけたコメントや問題提起など持ち寄りましょう。レポーターとして早川さんから以下の通り話題提供を頂いたあと自由討議とします。

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今発表の題材であるハミッド・ダバシ『ポスト・オリエンタリズム』(2009)の主な目的の一つは、2001年9月11日の同時多発テロ・アフガン侵攻・過激派のイスラム教徒によるゲリラ的テロ行為が増加するアメリカの社会情勢を念頭に、エドワード・サイードの提唱した概念・機能・制度としての「オリエンタリズム」のアップデートを図ろうとすることにある。

本発表では、サイードが『オリエンタリズム』(原著1978年、邦訳1986年)で取りこぼしたゴルトツィーエル・イグナーツ(1850-1921)に関するダバシの分析、およびガヤトリ・スピヴァクの「サバルタンは語ることができるか」(原著1983年、邦訳1998年)が暗黙の了解としているヨーロッパ中心主義とその問題点の指摘を参照しつつ、『ポスト・オリエンタリズム』でダバシが想定する「オリエンタリズム」「ポスト・オリエンタリズム」の枠組みを、他者によってオリエント化される日本・自己をオリエント化する日本の分析に応用する道筋を探求したい。また、「オリエンタリズム」「ポスト・オリエンタリズム」の理論を反転させることにより、東洋発・対西洋のまなざしである「オクシデンタリズム」「ポスト・オクシデンタリズム」を再定義することについても議論できればと思う。